花言葉はピュア ー敏腕社長は百合のような彼女を守り抜くー

凄腕弁護士


頼子の泣き声がスマホから環の耳に届いたのは深夜の1時頃だった。

環はもう眠りについていて、スマホの着信音で慌てて飛び起きた。

夜中の電話に良い知らせはないとよく言うけれど、やはり頼子の話も同様だった。

「環・・・私もうどうしたらいいかわからない・・・。」

電話の向こうの頼子は泣き崩れていて、話の要領を得ない。

「泣いてばかりじゃなにも分からないよ。頼子、ちゃんと初めから話して。」

「彼に・・・振られたの。奥さんとは離婚したって言っていたのに・・・嘘だったの。奥さんが妊娠したからもう会えないって・・・。」

「酷い・・・。」

「そう、酷い男よ。愛しているって何回も言ってくれたのに・・・。」
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