花言葉はピュア ー敏腕社長は百合のような彼女を守り抜くー

白百合に愛をこめて



その日の仕事が終わって自宅に帰り、環はふとカレンダーを見た。

赤のペンで大きく丸が書かれてある日付に胸がきゅっと痛んだ。

友恵の命日。

友恵を思い出すと同時に葉山の顔も目に浮かんだ。

葉山さんに会いたい・・・

今更ながら、そんな気持ちが日に日に強くなる。

けれど自分にはそんな資格がないこともよくわかっていた。

いつも一緒に友恵の墓参りについてきてくれた頼子は、すぐに新しい彼氏を見つけてもうお腹に新しい命を宿している。

大事な時期だから、今年は一緒に墓参りにいくことを環から()めるように言い、頼子もそれに従った。

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