花言葉はピュア ー敏腕社長は百合のような彼女を守り抜くー
ある誓い
「結城家」と彫られた墓の前で、環と岡本頼子は線香を供え、両手を合わせて黙祷した。
赤御影石を使った洋型のモダンな墓だ。
ここに環の高校時代の親友、結城友恵が眠っている。
環と友恵はクラスメートであり、同じバレーボール部の仲間でもあった。
背の高い友恵はエースアタッカーで、小柄な環はセッターとして友恵の攻撃をサポートした。
環にとって友恵はかけがえのない親友だった。
友恵はもって生まれた華やかな美しさと明るさで、周りを魅了する存在だった。
花に例えるなら、太陽に向かってのびのびと咲く向日葵。
大人しく友達がいない環には、そんな友恵がまぶしかった。