花言葉はピュア ー敏腕社長は百合のような彼女を守り抜くー
インフルエンサー
葉山の計らいで豊洲みやびと会うことが可能になった。
真冬にしては日差しが温かい午後、環は葉山と待ち合わせ場所である、ホテルのラウンジのソファに座り、みやびを待っていた。
みやびは葉山の同席を条件として環と会うことを承諾し、葉山も当然のようにそれを受け入れた。
葉山を巻き込むのは本意ではなかったが、その好意に甘えることにした。
都内の一流ホテルに慣れていない、兎角気後れしがちな環は、場に溶け込み堂々としている葉山がそばにいるということを頼もしく思った。
待ち合わせ時間から30分遅れで、みやびが現れた。
スレンダーな身体に原色のワンピース、毛皮のコートを羽織ったみやびは華やかな笑顔を見せた。
まるで深紅の薔薇のような女性だ。
そして彼女の視線は主に葉山に向けられていた。