~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
12(階段落としはこっちのお家芸でしょうが!)
放課後。クラスメイトと談笑した後、少し用事があると言って学内に残ったジェミーは、教室から出ると、歩きながら考えごとの続きを始める。
頭の中で、ずっと今王家を取り巻く現状の整理をしていたのだ。
現在、レビエラ王国には王家のもと、貴族の中で最も強い勢力を保つ三大公爵家という家柄が存在する。ひとつがジェミーの所属するペリエライツ家。後のふたつは、一番歴史が古いランデルシア家と、最近勢力を強めてきたフーバー家という家柄だ。
この王国では、古くから代々王位継承権を得た王子に、勢力の強い貴族家が後援を申し出て派閥を作り、互いに継承順位を争うという習わしがある。それは今も形だけではあるものの続いており、フーバー家は第一王子の後援を、ランデルシア家は第三王子の後援を表明している。よって、本来ならばペリエライツ家が第二王子を後援するのはひどく自然な流れだ。
だがしかし、父はあえてこれまで第二王子クラフトの支援を表明しなかった。それはおそらく、フーバー家の歴史が浅いことが関係している。もともとは、三大公爵家の一角は別の家系、エキュリゼ家という家柄が務めていたが、そちらの跡継ぎが途絶えたことで、フーバー家は繰り上がりでそこに数えられることになった。
つまり公爵家としてはまだそこまで勢力が強くなく、そこでペリエライツ家が第二王子を支持してしまえば、継承順と勢力の差に矛盾が生じてしまう。父はそれを恐れたのではないかとジェミーは思う。
頭の中で、ずっと今王家を取り巻く現状の整理をしていたのだ。
現在、レビエラ王国には王家のもと、貴族の中で最も強い勢力を保つ三大公爵家という家柄が存在する。ひとつがジェミーの所属するペリエライツ家。後のふたつは、一番歴史が古いランデルシア家と、最近勢力を強めてきたフーバー家という家柄だ。
この王国では、古くから代々王位継承権を得た王子に、勢力の強い貴族家が後援を申し出て派閥を作り、互いに継承順位を争うという習わしがある。それは今も形だけではあるものの続いており、フーバー家は第一王子の後援を、ランデルシア家は第三王子の後援を表明している。よって、本来ならばペリエライツ家が第二王子を後援するのはひどく自然な流れだ。
だがしかし、父はあえてこれまで第二王子クラフトの支援を表明しなかった。それはおそらく、フーバー家の歴史が浅いことが関係している。もともとは、三大公爵家の一角は別の家系、エキュリゼ家という家柄が務めていたが、そちらの跡継ぎが途絶えたことで、フーバー家は繰り上がりでそこに数えられることになった。
つまり公爵家としてはまだそこまで勢力が強くなく、そこでペリエライツ家が第二王子を支持してしまえば、継承順と勢力の差に矛盾が生じてしまう。父はそれを恐れたのではないかとジェミーは思う。