俺様同期の執着愛
12、柚葵の想い
あれは入社して3カ月。
新入社員研修が終わる頃に同期で飲み会があった。
そこにいたのが綾芽だ。
同じ営業部に配属になり、綾芽は営業事務を担当することになった。
綾芽の存在はなんとなくわかっていたが、そこまで意識していなかった。
飲み会のときまでは――。
「第36期生のみんな、これからよろしくねー!」
誰かが乾杯の挨拶をして飲み会が始まった。
俺は面倒なので隅の方で勝手に飲んでいた。今夜は見たいサッカーの試合があったのにめんどくせえ。録画じゃだめなんだよ。リアルタイムで見ないと高揚感が味わえないじゃん。
そんなことを思いつつ3杯目のビールをお代わりしたところで、となりにいきなり綾芽が座ったのだ。
びっくりして綾芽を凝視してしまった。そうしたら綾芽は気まずそうにしながら俺に言った。
「席替えしたの。全員と話せるようにって。あなたは移動しないの?」
「ああ、面倒だからいいや」
「そっか」
綾芽は長い髪を指で梳いて耳にかける。その仕草にどきりとした。
色白の肌に整った鼻筋。控えめだがぱっちりした目。艶のある唇。
いいなあと思った。
新入社員研修が終わる頃に同期で飲み会があった。
そこにいたのが綾芽だ。
同じ営業部に配属になり、綾芽は営業事務を担当することになった。
綾芽の存在はなんとなくわかっていたが、そこまで意識していなかった。
飲み会のときまでは――。
「第36期生のみんな、これからよろしくねー!」
誰かが乾杯の挨拶をして飲み会が始まった。
俺は面倒なので隅の方で勝手に飲んでいた。今夜は見たいサッカーの試合があったのにめんどくせえ。録画じゃだめなんだよ。リアルタイムで見ないと高揚感が味わえないじゃん。
そんなことを思いつつ3杯目のビールをお代わりしたところで、となりにいきなり綾芽が座ったのだ。
びっくりして綾芽を凝視してしまった。そうしたら綾芽は気まずそうにしながら俺に言った。
「席替えしたの。全員と話せるようにって。あなたは移動しないの?」
「ああ、面倒だからいいや」
「そっか」
綾芽は長い髪を指で梳いて耳にかける。その仕草にどきりとした。
色白の肌に整った鼻筋。控えめだがぱっちりした目。艶のある唇。
いいなあと思った。