俺様同期の執着愛
13、すれ違っている
柚葵からメッセージが来た。
約束破ってごめんとか、気にするなとか。
謝られたら、なかったことになってしまう。
それが少しショックで、だけど彼とこのままの関係でいるなら平気なそぶりをしようと思い、私は本心でもないことを返事した。
『大丈夫! 気にしてないよ!』
うそ。めちゃくちゃ気になって一晩中スマホを手にして柚葵との過去のやりとりを眺めていた。おかげで寝不足です。
週明け、私は緊張しながら出社した。
気まずい状態で柚葵と過ごすなんて嫌だから、どうやって声をかけようかと悩みながら会社に到着。
オフィスに向かうまで悶々と考え込んでいたら、背後から唐突に声をかけられた。
「綾」
どきりとして振り返ると、柚葵が立っていた。しかも、ちょっと眠そうな顔をしている。
思わず明るく声を上げる。
「おはよう。今日もいい天気だね!」
声が裏返ってしまった。たぶん表情も引きつっている。
すると柚葵は半眼で冷静に告げる。
「今日、雨だけどな」
空を仰ぐとどんより曇って、天気予報では1時間後に雨らしい。
私が笑顔で固まっていると、柚葵が真顔のまま続けた。
「まあ、雨でもいい天気ではあるよな。植物にとっては」
「そそそ。地球にとっても人間にとってもね」
いったい何の話をしているのだろうか私たちは。
約束破ってごめんとか、気にするなとか。
謝られたら、なかったことになってしまう。
それが少しショックで、だけど彼とこのままの関係でいるなら平気なそぶりをしようと思い、私は本心でもないことを返事した。
『大丈夫! 気にしてないよ!』
うそ。めちゃくちゃ気になって一晩中スマホを手にして柚葵との過去のやりとりを眺めていた。おかげで寝不足です。
週明け、私は緊張しながら出社した。
気まずい状態で柚葵と過ごすなんて嫌だから、どうやって声をかけようかと悩みながら会社に到着。
オフィスに向かうまで悶々と考え込んでいたら、背後から唐突に声をかけられた。
「綾」
どきりとして振り返ると、柚葵が立っていた。しかも、ちょっと眠そうな顔をしている。
思わず明るく声を上げる。
「おはよう。今日もいい天気だね!」
声が裏返ってしまった。たぶん表情も引きつっている。
すると柚葵は半眼で冷静に告げる。
「今日、雨だけどな」
空を仰ぐとどんより曇って、天気予報では1時間後に雨らしい。
私が笑顔で固まっていると、柚葵が真顔のまま続けた。
「まあ、雨でもいい天気ではあるよな。植物にとっては」
「そそそ。地球にとっても人間にとってもね」
いったい何の話をしているのだろうか私たちは。