俺様同期の執着愛
14、社員旅行の夜
11月某日。
例年通り会社の社員旅行に参加した。
私は雪が降り始めた札幌観光にわくわくしていた。
お菓子工場見学、動物園、海鮮市場、博物館など観光バスで周遊し、夜はジンギスカンの食べ放題。
仲良しの同期同士で盛り上がり、先輩たちともそれなりに楽しく過ごせて、いつもと変わらない旅行だった。
はずだったんだけど――
「柚葵、お前去年は来なかっただろ。なんで今年は来たん?」
「彼女に振られたか?」
同期の男性たちに突っ込まれて柚葵は「うるせーほっとけ」と返していた。
彼らの中には先日振られた人もいるらしく、みんなで夜の街に繰り出そうと言って柚葵を誘っていた。
私はじっとその話に耳を傾けている。
ていうか、柚葵のことが気になりすぎて困った。
せっかく初めての北海道なのに、こっちに集中したいのにできない!
「ねえ、綾芽。お土産何買う?」
「うーん、まだ決めてない」
「いろいろあるよね。楽しみ」
同期の女子に声をかけられて、ようやく旅行気分が戻ってきた私はパンフレットを眺めながら、車窓を楽しんだ。
うん、気にしない気にしない。
思いきり楽しまなくちゃ。
例年通り会社の社員旅行に参加した。
私は雪が降り始めた札幌観光にわくわくしていた。
お菓子工場見学、動物園、海鮮市場、博物館など観光バスで周遊し、夜はジンギスカンの食べ放題。
仲良しの同期同士で盛り上がり、先輩たちともそれなりに楽しく過ごせて、いつもと変わらない旅行だった。
はずだったんだけど――
「柚葵、お前去年は来なかっただろ。なんで今年は来たん?」
「彼女に振られたか?」
同期の男性たちに突っ込まれて柚葵は「うるせーほっとけ」と返していた。
彼らの中には先日振られた人もいるらしく、みんなで夜の街に繰り出そうと言って柚葵を誘っていた。
私はじっとその話に耳を傾けている。
ていうか、柚葵のことが気になりすぎて困った。
せっかく初めての北海道なのに、こっちに集中したいのにできない!
「ねえ、綾芽。お土産何買う?」
「うーん、まだ決めてない」
「いろいろあるよね。楽しみ」
同期の女子に声をかけられて、ようやく旅行気分が戻ってきた私はパンフレットを眺めながら、車窓を楽しんだ。
うん、気にしない気にしない。
思いきり楽しまなくちゃ。