俺様同期の執着愛

17、甘い甘いあま~い♡

 クリスマスは柚葵をうちに招いた。
 部屋の掃除は完璧だし、料理もたくさん作った。
 赤の薔薇も飾っておいた。しかも2本だよ。
 その意味は――

.。.:*・゜♡ ふたりだけの特別な世界 ♡。.:*・゜

「お邪魔する~」
「どうぞ~」

 柚葵は遠慮がちに私の家に足を踏み入れた。

「ごめんね、狭くて」
「いや、でも俺んちより綺麗だから広く見える」
「そう?」

 私がキッチンに入ったら、柚葵はテーブルの上の料理を見て目を丸くした。

 モッツァレラとトマトのカプレーゼ、生ハムと半熟卵のサラダ、クリスマスツリー型のポテトサラダ(もちろんてっぺんには人参で作った☆がある)
 肉料理はローストビーフとフライドチキン、あとはホワイトシチューとブルスケッタもある。

「うおっ、ご馳走。いやお前、こんな無理しなくても」
「いいの。私が作りたかったの」
「すげーなあ。俺なんもしてねーわ」
「でも、ケーキ買ってきてくれたでしょ」
「ああ。ワインもな」

 柚葵はケーキの箱とワインボトルの入った紙袋を掲げてみせた。
 なんかもう感動しちゃって涙が出そうになった。
 それを察した柚葵が驚いて眉をひそめる。

「どうした? 嫌だったか?」
「違うの。嬉しいの。クリスマスに恋人と過ごすなんて初めてだから」

 柚葵はさらに驚いた様子だった。
 でも、事実だしね。

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