俺様同期の執着愛

6、柚葵がんばる

 今の発言の意図が綾芽に理解できただろうか?

「俺は(武本とは)違う。俺なら付き合う彼女(綾芽)と対等に接したい。自分の趣味を相手に強要しない。まあ、同じ趣味なら最高だけどな(つまりお前のことだよ綾芽)」

 じっと綾芽を見つめていると、彼女は味噌汁を飲んでぼそりと言った。

「そっか。私は少し勘違いしていたのかもしれない」

 そうそう。お前は勘違いしていたんだ。武本に都合のいい女になっていただけなんだよ。

「彼の言うことを聞けば褒めてくれるから、そんな自分に陶酔していただけなのかもね」

 なんだわかっているじゃないか。
 これは俺にいい流れが来ているんじゃないか?

「結婚する前に気づけてよかったじゃん。これからちゃんと自分を認めてくれる奴を探せば?(目の前にいるよ、綾ちゃん)」

 俺がじっと見つめていると、綾芽は気恥ずかしそうに頬を赤らめながら微笑んだ。
 まじ可愛いな、その顔。

「そうだね。柚葵のおかげでいろいろ目が覚めたよ。ありがとう。柚葵もいい人が見つかるといいね」

 うおおーい! まったく伝わってねええぇっ!!

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