リアル・アクション・アプリ
エスカレート
美穂がなにかから逃げ出した後3人で学校内を探し回ったけれど美穂を見つけることはできなかった。
昇降口には美穂の靴がまだ残っていたけれど、上履きのまま出ていった可能性もある。

「先生たち、ちゃんと美穂を探してくれるかな」
帰り道で知里が不安そうな声を出す。
「菅原先生のことや中条先輩のことで大変そうだったもんね」

美穂がいなくなったことを伝えに行ったとき、職員室の中は慌ただしかった。

先生たちはみんな様々な対応に追われているようで、美穂がいなくなったことを説明してもすぐに動いてくれる気配はなかった。

「美穂は3回ミスしたわけじゃないから、きっと大丈夫だ」
昇の言葉に私も知里も黙り込んでしまった。

今はもう菅原先生と中条先輩が死んだことで、【R‐アプリ】が絡んでいる可能性を否定できなくなってしまった。

美穂はアプリをアンインストールした瞬間おかしくなってしまったんだから。
だから私達3人は【R‐アプリ】を消すことも怖くなってしまったのだ。
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