妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
第二章

母との再会/婚約の誘い

 お母さんとの再会を喜んでいた私だったが、すぐに疑問が湧いてきた。
 何故、お母さんがヴェルード公爵家に来ているのだろうか。その意味というものが、よくわからない。普通に考えて、当主の浮気相手を招かないと思うのだが。
 ヴェルード公爵夫人の反応というのも、私にとっては気になるものだった。どうしてお母さんと一緒にいて、あんなに笑顔だったのだろうか。

「えっと、ここは一応イフェネアお姉様の部屋で……私も一緒に暮らさせてもらっているから、私の部屋になっていて、あ、でもちゃんと許可は取っているから安心して。お母さんは……そこに座って」
「ええ」

 お母さんと会うのは、随分と久し振りである。
 そのためか、少し緊張してしまう。状況が理解できていないというのも、私の動揺を加速させていた。
 とはいえ、こうしてお母さんと過ごせるというのはとても嬉しい。色々と話したいことはある。ただまずは、状況を整理したい所だ。
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