true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
【eternal love】
産休に入る前、ますます忙しくなってきた事務所には、男性のパラリーガルが入所した。
こまさんの友人で、山内さん。
こまさんと優聖さんの仕事をそつなくこなしていた。
これで安心して休める・・・

所長室で優聖さんと打ち合わせをしていた。
「優聖さん、山内さんのお仕事ぶりは、勉強になります」
「こまさんの大学からの友人らしくてね。ご両親と同居するために、近くに引っ越して来たらしい。転職先を探してるって聞いて、うちに来てもらったんだ」
「良かったです。こまさんも楽しそうだし」
「加東君の負担が少なくなるしね」
「冴子さんも加東さんとの仕事が楽しそうで、何だか柔らかくなりましたよね」
「あの冴子さんが、年下にベタ惚れなんて、信じられないけどね」
「えっ・・・えぇー!」
「あぁ、付き合っているよ」
「いつの間にですか?」
「ずっと前からみたいだね。心海くらいだよ、気づいてないの。1番早かったのは、小巻さんだけどね」

気づかなかった。私が1番、近くにいるのに・・・
凄く仲が良いなぁとは思っていたけど・・・
いつも居ない小巻さんにまで、負けてしまった・・・

「心海は、在宅で手伝ってくれたらいいから」
「はい。私が居なくても大丈夫そうで、安心しました」
「大丈夫じゃないよ」
優聖さんが隣に座って、
「仕事中の充電が出来なくなるだろ?」
軽くキスをして、抱きしめた。
「しばらくは、家に帰るまで電話だけで我慢する。心海も1人で寂しいだろうけど、この子のこと、頼んだよ。なるべく早く帰るから」
「大丈夫です。この子と待ってますね」
「君に逢える日が待ち遠しいよ」
お腹に耳を当て、撫でながら話し掛けている優聖さんを見ると、嬉しくなる。

そして、貴重な2人だけの時は流れ・・・
無事、元気な男の子が産まれた。
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