true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
【ライバルの出現】
ドアを開けると、多くの人が忙しく、書類を持って移動したり、立ちながら話し合っていたりしている。

「優聖!」
片桐さんの名前を呼びながら、白のシャツに黒のパンツで、髪をアップした女性が近寄って来た。

グラマーで体のラインはモデル並み。
容姿端麗。才色兼備。
私が憧れているもの全てを、兼ね備えている。
「冴子さん、今日は最後の引き継ぎになるから、直ぐに会議を始めるよ」
「えぇ・・・それよりも、隣の可愛らしい女性はどなた?」
「あぁ、今日から入社した俺の秘書の深澤さんだ」
「宜しくお願いします」
「秘書?優聖が?必要ないでしょ?加東君もいるのに」
冴子さんという女性は、怪訝そうな顔をしている。
「加東君には、本来の仕事をしてもらう。これからは、俺も忙しくなるしね。深澤さん、少し待っててね」
片桐さんは、歩いて奥の部屋をノックして、中に入って行った。

「深澤さんね、宜しく。あなた、パラリーガル?弁護士を目指してるの?」
「い、いえ・・・法学部は出ていますが、そこまでは・・・」
「ふーん・・・優聖は、弁護士会でも名が通るほどの弁護士なのよね・・・どうして・・・」

どうして・・・
どうして、あなたみたいな人が秘書なの?そう言いたいんだろうな・・・
「ねぇ、あなたいくつ?」
「26です・・・」
「なぁんだ・・・まぁ、純情そうだし、優聖の相手にならないわね。私は優聖の1つ上なの。切磋琢磨して、苦楽を共に過ごして来た仲なのよねぇ」
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