true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
【ハプニングが起こす、ときめきハプニング】
偽りの恋人宣言があってから1週間。
何も変わらない毎日が過ぎていく。
こまさんは、2人のことを気にしてない様子、というか興味が無さそうで、変わりないけど・・・
加東さんは怪しんでいるのか、時々、様子を伺う。

「今度の土曜日、片桐さんは予定ある?」
「スケジュールには・・・特に約束はないみたいですね」
「違うよ、2人恋人でしょ?何処か行く約束してないの?顧問先から、土曜日の予定はどうか質問が来ているんだ。休日でしょ?」
あっ!油断していた!
「な、無い・・・と思います・・・多分」
「ねぇ、2人って本当に付き合ってるの?」
「え、えぇ、も、勿論ですとも」
声が裏返りそうになり、顔が引きつる・・・
「ふーん」
加東さんは怪しみながらも、それ以上は突っ込んで来なかった。

ホッと胸を撫で下ろして仕事をし始めると、小巻さんがいつものように、珈琲を持って来てくれた。
「心海ちゃん、そろそろ聞いてもいいよね。優聖君にどんな風に告白されたの?聞いても2人の秘密だって、教えてくれないの」

興味津々の小巻さんは、容赦なく質問攻めしてくる。
「あのなぁ、お前が口出すことじゃない。早く、店に戻って」
「だって、聞きたいじゃない!まぁ、いいわ。サンドイッチご馳走するから、あっ、ケーキも付けるわ!またゆっくり教えてね!」
「は、はい」
楽しそうに鼻唄を奏でながら、部屋を出て行った。
しばらく心聖には、顔を出さないようにしないと。
経験が無いから、嘘もつけない。
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