true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
【加東さんとの楽しい時間】
恋人同士は、しばらく続けることになったけど・・・
ため息をついていると、
「何かあった?片桐さんと喧嘩したの?」
加東さんが心配そうな顔をして、声を掛けてきた。

「喧嘩なんてしません。片桐さんは、私のこと何とも思ってないですし」
「えっ?」
不思議そうな顔をして、加東さんがビックリしている。
「あっ・・・」
私・・・色々考えすぎて・・・変なこと言っちゃった。

「変な意味はありませんから。今のは気にしないでください」
「深澤さん。本当は2人付き合ってないんだよね?」
「えっ・・・嘘だって、先生から聞きました?」
「やっぱりね」
「もしかして・・・聞いて無い・・・」
「良かった・・・嘘だったんだ」
「えっと・・・はい・・・」
「深澤さんが、ずっと挙動不審過ぎて・・・今日ではっきり分かったよ」
「どうしよう・・・皆にお芝居だってバレてたら・・・」
「大丈夫だよ。きっと、僕は毎日2人を見てるから、不自然さが分かると思う」
「な、内緒にしてください!絶対に、誰に聞かれても付き合ってることにしてくださいね」
「まぁ、深澤さんがそこまで言うなら・・・でも、1つだけお願いがあるんだけど」
「難しいことで無ければ・・・」
「デートしようよ」
「デ、デート!?」
「本当に、純粋だね。観たい映画があるから、一緒に行こうよ。いいでしょ?」
「行ったら・・・絶対に言わないって、約束してくれますか?」
「これでも弁護士を目指しているし、先生も尊敬してる。よっぽどの事情があることも分かってるから」
「・・・分かりました。行きます」
「明日、早速行こうか」

断ることも出来ず、駅の近くにあるシアターへ、仕事帰りに一緒に行くことになった。
ユーモラスな映画で、友情とアクションと恋の物語。
久々に声が出るほど笑えて、仲間の絆に胸が熱くなって、そして秘めた愛に胸がキュンとした。
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