true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
【deep loveⅡ~嫉妬も心配も愛の深さ故】
事務所は、冴子さんを迎え、ますます忙しくなっている。
「冴子さん、これだけの案件受けて、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、これくらい。加東君がいてくれたら」
「だから・・・僕は冴子さんだけのパラリーガルじゃないんですよ」
「確かにね。私にとって、パラリーガルだけじゃないわよね?」
「冴子さん!」
見つめ合う2人・・・何だろう、この空気感。
それと、冴子さんの言葉に、違和感があったけど・・・
まぁいいか。いつものことだし。

「心海、頼みたいことがあるから、こっちに来てくれる?」
「はいっ、直ぐ行きます」
所長室から呼ばれて、部屋に入った。

「加東君は冴子さんに占領されているから、この書類をいつも通りにファイルに綴じてくれる?」
「あ、昨日の離婚調停の案件ですね?分かりました」
「辛いね、愛し合っている時期もあっただろうに・・・」

きっと、私達みたいな時期もあったのに、辛い結果になっちゃって・・・
「優聖さん、私達は・・・無いですよね?」
「・・・」
「優聖・・・さん?」
「質問する心海が、どうかしてるよ」
「だって・・・」
「そんな質問をするってことは、まだ俺の愛情が足りてないってことだね?」
「そ、そんなことは言ってません!」
「もう、遅いよ」
私をお姫様抱っこすると、仮眠用のソファベッドに座らせた。
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