悪役令嬢を期待されたので完璧にやり遂げます!

第一の嫌がらせ(悪口編)

翌日、マリアンヌは早速第一の嫌がらせを試みることにした。

虐めの基本、『聞こえるように悪口を言う』という子供じみた作戦だが、友人を巻き込むことはしたくないマリアンヌは、一人で誰もいない特別教室の中で待機している。
待つこと数分、やがて壁一枚を隔てた廊下から、ジャルダンとロザリーが落ち合う声が聞こえてきた。

「やあ、ロザリー! 君は今日もなんて可愛いんだ」
「ジャル様こそ今日も素敵ですわぁ」

お互いを褒め合う二人にしらけたマリアンヌだったが、己のやるべきことを思い出して窓から廊下を窺うと、予想通り二人の周囲には他に人気はない。
一年のロザリーと三年のジャルダン、二人の校舎は離れている為、移動教室などでお互いが近くを通る際に落ち合うことは有名だった。
彼らの破廉恥な様子を目にしたくない生徒が、二人に出くわさないようにわざと他の廊下を使用していることもリサーチ済みである。

二人しかいない今がチャンスね。
うわぁ、ジャルダン様って顔は悪くないはずなんだけど、鼻の下を伸ばしてみっともないったら。
さあ、始めますか。

軽く咳ばらいをしたマリアンヌは大きく息を吸った。
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