悪役令嬢を期待されたので完璧にやり遂げます!

生徒会長も悪役令嬢の味方

意識を失ったロザリーが、ゴンッという鈍い音と共に床に転がった。

「きゃー、もっと丁寧に扱いなさいよ!」
「お嬢様は優しいですね。この令嬢にはこれくらい屁でもないですって」
「女の子に屁とか言わない!」
「そんなことよりお嬢様、早く生徒会室に向かわないと」
「あ、そうだったわ。帰ったらじっくりと話を聞かせてもらいますからね!」

仕方なくロザリーを放置し、ありえない速さで生徒会室へと駆けていくマリアンヌを、アレンが手を振って見送っていた。

もうもう、一体なんなのよ?
せっかくの計画が台無しじゃないの。
それにしても、アレンはよく学園内に入れたわよね。
セキュリティーが厳しいのではなかったっけ?

考えている間もマリアンヌの足は勝手に動き、普段学生が使用しない廊下を次々と走り抜け、最後に生徒会室付近の渡り廊下へと窓から飛び降りる。
生徒会のメンバーは三年が多く、彼らは自分の教室と生徒会室が近い為、この渡り廊下を使用するのは数名の二年生だけ。
よって、周囲に気を付けてさえいれば目撃される可能性は低いのだ。

「みなさま、ごきげんよう」

ササっと髪と制服の裾を整え、マリアンヌがいつものスマイルで生徒会室へ入って行けば、先に到着していた三年のメンバーが笑顔で迎えてくれた。
中でも子供の頃から見知っているアルターは、特に気安い態度だ。

「やあ、マリアンヌ。今日もよろしく頼むよ」
「アルター会長、もちろんですわ」
「おいおい、君に会長と呼ばれると落ち着かないからやめてくれ」

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