悪役令嬢を期待されたので完璧にやり遂げます!

華麗な断罪返し

男爵令嬢を虐げたという理由で、第一王子に国外追放を告げられた公爵令嬢(マリアンヌ)――

『そんな馬鹿な』という唖然とした空気の中、いつの間にかマリアンヌの側までやって来ていた第二王子のレックスが、ジャルダン()を射殺さんばかりの目で睨んでいた。

「兄上……というか、正直こんなやつを兄だと思ったこともないけれど、いい加減にしませんか? あなたにマリアンヌ嬢を断罪する権利などないでしょう。それに、彼女がそんなつまらないことをするはずがない。証拠は?」

冷静な態度で証拠を要求するレックスを援護するように、クラスメイトのベリックと、生徒会長のアルターが続く。

「もし悪口を耳にしたという件なら、僕がその時刻のマリアンヌ嬢のアリバイを証言しましょう」
「それなら私もその女生徒が突き落とされたという時刻、マリアンヌと共にいたと誓おう。生徒会メンバー全員が証人だ」

マリアンヌは自分の出番が少しもないことに慌てながらも、庇おうとする彼らの気持ちが嬉しく、成り行きに身を任せることにした。

「マリアンヌのアリバイだって? そんなの、試してみなければわからないだろう! 最短距離で移動すれば、犯行後にお前たちと合流することも可能なはずだ!」
「マリアンヌは絶対階段にいました。ダッサい男と!」

あくまで犯行はマリアンヌによるものだと言い張るバカップル。
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