大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
1:大好きなお姉さまが婚約破棄されました
この世界には「魔法」と呼ばれる不思議な力があり、それは自然界に存在する精霊の気まぐれによるものとも言われている。
魔法を使うための力――魔力は親から子へと引き継がれるが、誰しもその魔力を備えているものではない。何よりも、精霊の気まぐれだからだ。
大陸の南側に位置するアッシュクロフ王国において、魔力を持ち魔法が使える者は選ばれし者とされ、国王が爵位を授けたのは遙か昔のこと。そのため魔法を使える者は魔法貴族と呼ばれ、他の魔法の使えない貴族と区別される。
だからこの国には貴族が二種類存在する。魔法が使える魔法貴族と、魔法が使えない貴族。公爵は魔法貴族のみに与えられる爵位でもある。
そしてもちろん、王族にも魔力は代々受け継がれていた。
風火地水の四属性が魔法の基本属性とされ、生まれた家柄によってどの属性が扱えるか決まってくる。基本は一人一属性だが、まれに両親の双方の属性を受け継ぎ、二属性の魔法を扱える者もいた。となれば、それはさらに貴重な存在となる。
そのため結婚相手には、自分と異なる属性魔法を使える者を望むことが多い。
アッシュクロフ王国の王太子ジェラルドの婚約者として、ケアード公爵令嬢のエレノアが望まれたのはそれが理由の一つでもあった。王族は代々土属性の魔法の使い手であり、ケアード公爵家は風魔法の使い手。それもあってジェラルドが土魔法、エレノアは風魔法を得意とする。属性の違う二人の間に生まれた子には、土と風、二つの属性が引き継がれる、かもしれない。
魔法を使うための力――魔力は親から子へと引き継がれるが、誰しもその魔力を備えているものではない。何よりも、精霊の気まぐれだからだ。
大陸の南側に位置するアッシュクロフ王国において、魔力を持ち魔法が使える者は選ばれし者とされ、国王が爵位を授けたのは遙か昔のこと。そのため魔法を使える者は魔法貴族と呼ばれ、他の魔法の使えない貴族と区別される。
だからこの国には貴族が二種類存在する。魔法が使える魔法貴族と、魔法が使えない貴族。公爵は魔法貴族のみに与えられる爵位でもある。
そしてもちろん、王族にも魔力は代々受け継がれていた。
風火地水の四属性が魔法の基本属性とされ、生まれた家柄によってどの属性が扱えるか決まってくる。基本は一人一属性だが、まれに両親の双方の属性を受け継ぎ、二属性の魔法を扱える者もいた。となれば、それはさらに貴重な存在となる。
そのため結婚相手には、自分と異なる属性魔法を使える者を望むことが多い。
アッシュクロフ王国の王太子ジェラルドの婚約者として、ケアード公爵令嬢のエレノアが望まれたのはそれが理由の一つでもあった。王族は代々土属性の魔法の使い手であり、ケアード公爵家は風魔法の使い手。それもあってジェラルドが土魔法、エレノアは風魔法を得意とする。属性の違う二人の間に生まれた子には、土と風、二つの属性が引き継がれる、かもしれない。