さくらが散る頃

未来への道

 それは悲しい結末だった。

 私はぐっと強く唇を噛みしめた。
 
 佐竹花梨が捕まった。

 誕生日を迎えて十四歳になっていた。

 未成年のため実名報道はできないとはいえつい最近まで行方不明事件の件でほとんどの人間に知り渡っていた顔と名前、インターネット上ではこのセンセーショナルな話題を連日面白おかしく取り上げた。テレビでは報道規制が敷かれているのか不気味なほどだんまりだった。


「指示されたのかな?」

 悔しさ滲む声で凌介が呟いた。

「たぶんね」
 
「思った以上にやばいな、早く河森美海を止めないとたいへんなことになる」凌介はそう言ったあと「まぁもうなってるんだけど」とつけ足した。
 
 野島裕之が佐竹がやった非道を花梨に言い、花梨に殺させるように仕向けたんだろう、だけど黒幕はやはり美海の気がする。

 すると私の携帯電話が鳴った。ディスプレイの名前を見ると透子だった。

「もしもし」
「さくらさん、テレビ見た?」
「うん」
「そう、河森美海を早く探さなきゃ、また被害者が増える」
「やっぱり今回ことも美海が絡んでる……よね?」

 透子は電話口で小さくため息をついた。

「だと思うけど」
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