さくらが散る頃
出会いの罠
目の前から男が小走りに近づいてくる。私は気にもとめずに歩き続ける。やがてその男とすれ違う、その時、私は男の手に刃物らしきものが握られているのが見えた。
刹那身構えた。
「お前だろ、絶対に許さん、殺してやる」
男は大きく振りかぶった。刃物の先端が私を襲う。
逃げきれない、そう思って防御姿勢を取り目を閉じた時だった。
男の叫び声がして直後カランという音とともにアスファルトに落ちた刃物。
「物騒なもん持ってんなぁ兄ちゃん」
「ぐあぁ、離せ」
「さくら、それ取って」
「え?」
「それだよ、それ」
顔を上げると友人の深海凌介がアスファルトに落ちている刃物に向かって顎をしゃくる。
「あぁ」
それを拾った瞬間、凌介は力をゆるめたのか男の表情が苦悶に満ちたものから解放されたものに変わった。
刹那男はまた語気を荒らげた。
「お前ちょっと美人だからって調子乗ってんじゃねーぞ」
「おいまだ懲りねーようだな」
凌介がまた力を加え、さらにもう一段階力を加えると「いててて」という叫が響く。
「そこまでだ、おい凌介、それ以上やったらお前のことも逮捕しなきゃならなくなる」
刹那身構えた。
「お前だろ、絶対に許さん、殺してやる」
男は大きく振りかぶった。刃物の先端が私を襲う。
逃げきれない、そう思って防御姿勢を取り目を閉じた時だった。
男の叫び声がして直後カランという音とともにアスファルトに落ちた刃物。
「物騒なもん持ってんなぁ兄ちゃん」
「ぐあぁ、離せ」
「さくら、それ取って」
「え?」
「それだよ、それ」
顔を上げると友人の深海凌介がアスファルトに落ちている刃物に向かって顎をしゃくる。
「あぁ」
それを拾った瞬間、凌介は力をゆるめたのか男の表情が苦悶に満ちたものから解放されたものに変わった。
刹那男はまた語気を荒らげた。
「お前ちょっと美人だからって調子乗ってんじゃねーぞ」
「おいまだ懲りねーようだな」
凌介がまた力を加え、さらにもう一段階力を加えると「いててて」という叫が響く。
「そこまでだ、おい凌介、それ以上やったらお前のことも逮捕しなきゃならなくなる」