ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
ご褒美タイム
窓を叩く雨の音が部屋の中にまでも響く。見慣れない室内、どこかしらから香るのは安積さんの匂いなのか。そう思うと落ち着かないけれど、人はなかなかタフでかなり柔軟力を持ち合わせている生き物なのだと実感していた。
「いただきます」
「どうぞ」
シンプルな白いマグカップに手を添えて入れられたコーヒーを口につける。香り立つコーヒーの香りが鼓動を徐々に落ち着かせてくれた。
「あの猫ちゃんは、アメリカンショートヘアーですか?」
「そう。もうすぐ一歳かな」
それならそんなに小さなころに捨てられていたのかと想像して悲しい気持ちになる。それでも優しい人に拾われてこの子は命が伸びたのかと思うと胸がホッと温まる。
「名前はなんて言うんですか?」
「モモ」
「女の子?」
「ううん、オス」
オスなのにモモなのか、とキョトンとしてしまって安積さんが笑う。
「桃太郎だって男じゃん」
「桃太郎は太郎がついてます」
言い返したらまた笑われた。
「いただきます」
「どうぞ」
シンプルな白いマグカップに手を添えて入れられたコーヒーを口につける。香り立つコーヒーの香りが鼓動を徐々に落ち着かせてくれた。
「あの猫ちゃんは、アメリカンショートヘアーですか?」
「そう。もうすぐ一歳かな」
それならそんなに小さなころに捨てられていたのかと想像して悲しい気持ちになる。それでも優しい人に拾われてこの子は命が伸びたのかと思うと胸がホッと温まる。
「名前はなんて言うんですか?」
「モモ」
「女の子?」
「ううん、オス」
オスなのにモモなのか、とキョトンとしてしまって安積さんが笑う。
「桃太郎だって男じゃん」
「桃太郎は太郎がついてます」
言い返したらまた笑われた。