ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
安積視点

優しさと言い訳と

 配属されてきた時はガチガチに緊張して、なんだか可哀想になるほどで。

 そこまでビビらなくても大丈夫だよ、と心の中で吹き出してしまいそうだった。

 頑張らないと、そんな気持ちが透けて見えて仕事に前向きに向き合う子だな、そう思った。
 

 それからずっと四宮は俺の下で一生懸命仕事を覚えて一人前になろうと目の前のタスクを丁寧にこなしていく。周りに無理なことを押し付けられて困る姿も見たけれど、泣きつくこともせずひとりで抱えて頑張っていた。

 慣れてくると後回しにしがちな作業や雑務こそずっと指導を受けた通りに対応して自分なりに改善したりもして偉いな、と単純に思って見守っていた。
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