罪深く、私を奪って。

ひとつの告白

ひとつの告白



「はぁ……」
住み慣れたアパートに響く自分のため息。
私はひとりベッドの上で丸くなって、タオルケットにくるまっていた。
ぼんやりと天井を見上げながら、昨日からの出来事を思い起こしてはため息をつく。
色々な事に心がついていかなくて、ベッドの上で寝転がったまま動けなかった。
そんな時、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴る音がした。
誰だろう。
そう思いながら重い体をゆっくりと起こし、
「はい」
インターホンに向かって声を出すと。
『あ、……沼田です』
そこから聞こえてきたのは、数時間前にこの場を去ったはずの沼田さんの声だった。
「沼田さん……？」
『あ、ドア開けなくていいです！　そのままでいいから……』
私の不思議そうな声を聞いて、インターホンの向こうで慌ててそう続ける沼田さん。
なんだろう、と思いながら恐る恐るドアを開けると、そこには驚いた顔の沼田さんが立っていた。
「どうかしましたか？　忘れ物か何か……」
そのあまりの驚きっぷりに、ドアを開けた私の方がうろたえそうになる。
「いや、ドアを開けてくれると思わなかったから、びっくりして」
「開けちゃだめでした……？」
「いや、そうじゃないですけど。あんな事をした後だから、僕なんて気持ち悪いだろうなと思って……」
私から目をそらしてそう言った沼田さんの手は、きつく握られ小さく震えていて、彼の複雑な気持ちが伝わってきた。
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