おてんば男爵令嬢は事故で眠っていた間に美貌の公爵様の妻(女避け)になっていたので土下座させたい

最終話・イェルガー視点

アレストのアドバイスそれは。

『君の残された長所は顔くらいなんだからそれをフル活用すべきじゃないかな?』

うっすらひどい事言われているけど、イェルガーは何でも良いからすがりたかった。

『今更、顔か……』
『君はどうせ奥方にも笑顔を見せたこと無いだろ?』
『まぁ、そうだな』

アレストは紅茶の水面だけを見つめている。

『笑顔を見せたら良い。微笑みかけろ』

『それだけで良いのか?』

『そうだよ。いいかい? ここぞって時だけにしておくんだ。いつもすると威力が下がる』

アレストは見本を見せるようにニッコリした。淡い金髪に青緑の瞳が王子様のように見えた。これがアレストの対女性用の笑みだ。

『もしダメだったら?』
『別の手段を考えるまでだ。つべこべ言わずにやってみなよ』

緑の木葉を揺らした風が爽やかに通りすぎた。

というやり取りだったが、実際にやってみて驚く程うまく行った……。
恐るべしアレスト、いつまでも友人でありたいと願う。


アレストのアドバイスであっさりとセイラを落とすことに成功した。
昔の事もあるし、セイラだけに笑顔を向ければ良い。
落とされたセイラは信じられないくらい素直になり、俺を受け入れた。
誰かに恋をしたことが無かったが、セイラが初恋の相手だとは恥ずかしくて言えない。

セイラの今の目標は「落とす」らしい。なにやら俺を落とすことに必死になっている。今は使われていないセイラの部屋でその紙を見た時は、悶えた。
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