図書館の地味な女の子は…
15話 現実と夢の境界
そして俺たちは服を着替えるために解散した
あれは本当に夢だったのか、それしか考えられない
学校に着くと大毅は他の奴らと楽しそうに話してた
何気ないいつもの教室。
だが、澪の席はまだ空いていた。
祐也は、大毅にそっと近づいて、小声で尋ねた。
「なあ、大毅……昨日の夜、なんか……変なことなかった?」
「んー? って、なんやねん急に。祐也、おまえ途中で寝落ちしてたやろ。いびきかいとったぞ、地味に」
「いや……そうじゃなくてさ……なんか、俺……澪が……」
そこまで言いかけて、祐也は口をつぐんだ。
あの光景――首を絞めようとしていた澪の顔が脳裏に浮かぶ。
(……やっぱり、夢だったんだよな)
「……なんでもない。ごめん」
「なんやねん、それ……ま、ええけどな」
大毅は肩をすくめながらも、ふと思い出したように眉をひそめた。
「でもな……俺も昨日、夢見てん」
「夢?」
「うん……なんか、零に抱きつかれててん。で、そのまま……ちゅーされてた気ぃすんねんけど……」
「……は?」
「でもなぁ、あれ夢かなちゃうんかなぁ? やけにリアルやったんよ。あいつ、あんなんするタイプちゃうやろ?」
祐也の心が、不意にざわついた。
(あの時……大毅が倒れてたのって……まさか)
現実と夢の境界が、またぼやけていく。
「……どっちが夢だったんだろうな」
祐也の呟きに、大毅は笑って答えた。
「知らんけど、ほんま変な夢やったわ。
……幼馴染とこんな夢、二度と見たないわ、まじで」
祐也もつられて笑いかけたけれど、笑って誤魔化すしかなかった。
でも――澪の不気味な目、そしてあの低い声。
あれは、本当にただの夢だったのか?
窓の外から差し込む朝日が、やけにまぶしく感じた。
あれは本当に夢だったのか、それしか考えられない
学校に着くと大毅は他の奴らと楽しそうに話してた
何気ないいつもの教室。
だが、澪の席はまだ空いていた。
祐也は、大毅にそっと近づいて、小声で尋ねた。
「なあ、大毅……昨日の夜、なんか……変なことなかった?」
「んー? って、なんやねん急に。祐也、おまえ途中で寝落ちしてたやろ。いびきかいとったぞ、地味に」
「いや……そうじゃなくてさ……なんか、俺……澪が……」
そこまで言いかけて、祐也は口をつぐんだ。
あの光景――首を絞めようとしていた澪の顔が脳裏に浮かぶ。
(……やっぱり、夢だったんだよな)
「……なんでもない。ごめん」
「なんやねん、それ……ま、ええけどな」
大毅は肩をすくめながらも、ふと思い出したように眉をひそめた。
「でもな……俺も昨日、夢見てん」
「夢?」
「うん……なんか、零に抱きつかれててん。で、そのまま……ちゅーされてた気ぃすんねんけど……」
「……は?」
「でもなぁ、あれ夢かなちゃうんかなぁ? やけにリアルやったんよ。あいつ、あんなんするタイプちゃうやろ?」
祐也の心が、不意にざわついた。
(あの時……大毅が倒れてたのって……まさか)
現実と夢の境界が、またぼやけていく。
「……どっちが夢だったんだろうな」
祐也の呟きに、大毅は笑って答えた。
「知らんけど、ほんま変な夢やったわ。
……幼馴染とこんな夢、二度と見たないわ、まじで」
祐也もつられて笑いかけたけれど、笑って誤魔化すしかなかった。
でも――澪の不気味な目、そしてあの低い声。
あれは、本当にただの夢だったのか?
窓の外から差し込む朝日が、やけにまぶしく感じた。