図書館の地味な女の子は…
25話 軌跡
あれから半年が過ぎ蒸し暑い季節に
拍手が鳴り響く中、祐也は壇上に立っていた。
「――全国高校生小説大会、最優秀賞は……高橋祐也さん。作品名は『図書室の地味な女の子は…』」
アナウンスとともに、無数のフラッシュが焚かれる。祐也は照明に目を細めながら、緊張した面持ちでトロフィーを受け取った。
隣には担当の国語教師。ずっと原稿を見守ってくれていた先生が、小さく肩を叩いて微笑んだ。
「よく頑張ったなお疲れ様」
その言葉に祐也は、ようやく実感した。――あの長い夢のような時間が、確かに何かを生んだことを。
壇上から見下ろした観客席の中に、大毅の姿があった。手を高く挙げて、ニッと笑っている。口の動きだけで「おめでとう」と言ってくれたのがわかった。
あの時、本当に戻ってこられてよかった――祐也の胸に、またひとつ熱いものがこみ上げた。
拍手が鳴り響く中、祐也は壇上に立っていた。
「――全国高校生小説大会、最優秀賞は……高橋祐也さん。作品名は『図書室の地味な女の子は…』」
アナウンスとともに、無数のフラッシュが焚かれる。祐也は照明に目を細めながら、緊張した面持ちでトロフィーを受け取った。
隣には担当の国語教師。ずっと原稿を見守ってくれていた先生が、小さく肩を叩いて微笑んだ。
「よく頑張ったなお疲れ様」
その言葉に祐也は、ようやく実感した。――あの長い夢のような時間が、確かに何かを生んだことを。
壇上から見下ろした観客席の中に、大毅の姿があった。手を高く挙げて、ニッと笑っている。口の動きだけで「おめでとう」と言ってくれたのがわかった。
あの時、本当に戻ってこられてよかった――祐也の胸に、またひとつ熱いものがこみ上げた。