王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

初めて2人での食事5

碧人様に手を握られたままどんどん進んでいった。

すごい足が速い、着いていくので精一杯

碧人様の早歩きに負けないよう小走りしていたが、急に碧人様が止まりこっちを向いた。



顔を見上げると、先ほどとは違ういつも通りの笑顔で「話をしようか」と言われた。



「さっきの件だけど、勘違いしていないかい?僕は君以外に好きな人はいないよ。」



嘘つき。

雪様と話してるの聞いちゃったんだから。

そう言いたかったけど、

おそらくそれでも、碧人様は誤魔化すだろう。



私のために。



そんなこと言わせて申し訳ない気持ちになりながら、私は「わかりました。」とだけ呟いた。



碧人様は私のために、自分の気持ちを隠そうとしてるんだわー

私1人で碧人様とさつき様をくっつけよう、そう心に誓った。
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