王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

聖女と幼なじみと4人での食事4

翔もこのサンドイッチを食べるのは初めてだったが、やはり碧人様からあーんはされなかった。

ーまあ、さつき様がされていないからね。



さつき様同様、

雪様に「普通よりボリュームがあるサンドイッチなので、気を付けてくださいね」とだけ言われていた。



「へいへい。」そう言いつつ、

翔がサンドイッチにがぶりついていたが、思いっきりマヨネーズが口についている。



それを私が指摘しようとしたところ、

「さつきちゃん、口にマヨネーズついているよ。」と翔が言った。



翔は、さつき様の口元についている量の比ではないのにー。



さつき様が、

「伊集院様の方がついていますよ」と笑いながら言って、
翔の口元をティッシュで拭こうとしていたー。



ーこれ以上、

碧人様の前でイチャイチャしないで…



私は咄嗟にサンドイッチを食べて、

「あの、私も口にマヨネーズついちゃって…」と言って、

翔ではなく、自分の口元を拭いてもらおうとした。



さすがに無理があったかなー。

なんとなく碧人様も引いている気がする。




「やっぱり伊集院のことが好きなんだな。」

ー碧人様が何か小さい声で言ってたが、聞き取れなかった。
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