王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

王子の片思い3

そういえば、

思い返してみれば、デートはおろか、

私たちは2人きりでご飯も食べたこともなかった。



お互いの両親も含めて度々食事会が開かれていたため、今まで気にしていなかったが、

周りの婚約者同士やカップルは、

デートに行ったり、お昼ご飯を一緒に食べたりしていた。



ーそっか。聖女のことが好きだから、誘われなかったんだわ。



私は胸が苦しくなるとともに、

このまま結婚していいのか疑問に思った。



聖女である柏原(かしわばら)さつき様は、

貴族ではないが魔力が強いため、

特別に魔法学校の入学を許可された。



その魔力は先生も驚くほどで、

100年に1人の才能で、

数々の国の問題を解決したため、

王族に『聖女』と称号を与えられた。



貴族ではないが、

王子と結婚するには申し分がないのである。



私がいなければ、

碧人様はさつき様と結婚できるんだよね、



王子と聖女が一緒にいるところは見たことがないが、きっと私がいるからアプローチできないんだろうー。



私は王子と聖女が上手く行くよう、どうにか上手く婚約破棄できないか考えることにした。
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