王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

結婚式2

ーコンコン



「美姫、入ってもいい?」



「どうぞ」



碧人様はグレーのタキシード姿だった。

制服も格好よかったけど、

タキシード姿本当に素敵…



私がぼーっと碧人様を見ていると、

碧人様はパッと目をそらし、

「かわいすぎだろう」

となにか小さい声で言っていた。



「碧人様?」



「ごめん、なんでもないよ。

本当にウェディングドレス似合ってる。

…他の人に見せたくないくらい」



最後の方がまた聞こえなかったが、

手で口を押さえて、なんとなく恥ずかしそうにしているようにみえたため、聞き返さなかった。



「ありがとうございます。

碧人様もタキシード姿素敵です。」



私たちが談笑していると、

「もう結婚式始まりますよ」と雪様に話しかけられた。



「美姫様、本当に綺麗です」



「ありがとうございます」



と雪様の目を見て答えようとしたが、

碧人様が前に立って、雪様の顔が見えなくなった。



「これから結婚式ですけど、そんな感じで大丈夫ですか?」



「…だめかもしれない。」



2人の会話がよく分からなかったが、

私たちは神父様に呼ばれて、式場へと移動した。
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