王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

結婚式3

式場のドアが開くと、

たくさんの人たちがお祝いにかけつけてくれていた。


みんなに拍手されながら神父様の前に立つと、

これからの人生についての教え、

そして誓いについて確認された。


「…誓います。」


私たちは同時に答えた。


「では、誓いのキスを」


向かい合ってキスをした。

また盛大な拍手をしてもらい、2人で笑いあった。

ー幸せだな。


拍手のなか、招待客の間を歩いていると、

碧人様がニヤニヤしているような笑顔を招待客に向けていた。


あまり見ない顔だったため、

その視線の先を確認したところ、

翔と…さつき様がいた。


翔と碧人様は仲良くなかったはずだし、

さつき様に向けたのかな?


今日は結婚式のため、ドレス姿で更にかわいくなっていた。

…しかも、さつき様はとても…胸が大きいのだ。


今までは制服姿であまり目立っていなかったが、

ドレス姿により胸が少しだけ強調されてしまい、

周りから目線を集めていた。


翔がそれに気付いて、

自分のジャケットを渡して隠してあげているようだった。


私への気持ちはもう疑っていない。

ただ私の体が好みでない可能性はあるよね…


私は楽しい日のはずなのに、

少しくらい気持ちになってしまった。

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