王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

初夜1

「どうぞ」



部屋に入ると碧人様もバスローブ姿で、

髪を濡らした状態で出迎えてくれた。



「ごめんね。
…ちょっと気分を切り替えるために、
もう1回シャワー浴びてたんだ。

もう少し待っていて。」



碧人様はドライヤーをかけ始めた。



いつもキチッとした制服姿しか見たことがなかったので、

着崩れている姿を見たことがなくて、ドキドキした。



ー碧人様髪が濡れていてもかっこよかったな…
そう思っていると、

気付くと「お待たせ」と碧人様が目の前にやってきていた。



「なんか緊張しちゃうね」



「はい」



碧人様はあまり緊張しているように見えないけど、私は心臓がバクバクいっていた。



私の緊張をほぐすために、

緊張してないのに言ってくれたのかもしれない。



「触ってもいいかな?」



「は、はい。」



気付くとキスをされて、押し倒されていた。



何度も繰り返しキスをされ、

バスローブを脱がされそうになった瞬間、

思わず胸を隠してしまった。



「いや?」
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