アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました
お見合い
日曜日。ついにお見合いの日になってしまった。
母は朝からやたらテンションが高い。一方、私と父のテンションは、低い。
「ああ、面倒臭いなあ」
「すまんな」
「二人とも何ぼやぼやしてるの? そろそろ行くわよ」
「はーい」
昨日は美容院で髪をセットしてもらい、今日は以前に買って一度もそれでお出かけした事がない、パープルのワンピースを着て、少し濃いめにお化粧した。
パープルのワンピースと言えば、一昨日会ったご令嬢の高島麗子さんを思い浮かべたけど、比べるまでもなく、私はあんなに煌びやかではない。誠は、
「今日の姉貴、すっげえ綺麗だ」
なんて言ってくれたけど。
会場は、そこそこ立派なホテル内のレストラン。
お見合い相手の野田正樹さんも、ご両親が同伴していた。年齢などはたぶん家と変わらないと思うけど、お母様は華やか和服姿で、気合十分という感じ。
言葉には出さないものの、『正樹は家の大切な一人息子ですの』って感じ。いや、実際に言ってたかも。
支店長夫妻がお仲人で、支店長は私と野田さんを喜々として紹介してくれた。やたらと誉めちぎられて、こそばゆかった。私の事なんか、ろくに知らないくせに。
野田さんは、写真のイメージそのままの人で、母みたいに”ハンサム”とは思えないけど、取り立てて嫌という事もなく、要するに普通の男の人って感じだ。
正面に座った野田さんの、私を値踏みするよう視線がちょっと不快で、私は終始俯き気味だった。
特に余計な話はせず、質問には適当な生返事ばかり。きっと、不愛想な女と思われたに違いない。
そのせいでお付き合いを断られたら、むしろ有り難いと思った。
母は朝からやたらテンションが高い。一方、私と父のテンションは、低い。
「ああ、面倒臭いなあ」
「すまんな」
「二人とも何ぼやぼやしてるの? そろそろ行くわよ」
「はーい」
昨日は美容院で髪をセットしてもらい、今日は以前に買って一度もそれでお出かけした事がない、パープルのワンピースを着て、少し濃いめにお化粧した。
パープルのワンピースと言えば、一昨日会ったご令嬢の高島麗子さんを思い浮かべたけど、比べるまでもなく、私はあんなに煌びやかではない。誠は、
「今日の姉貴、すっげえ綺麗だ」
なんて言ってくれたけど。
会場は、そこそこ立派なホテル内のレストラン。
お見合い相手の野田正樹さんも、ご両親が同伴していた。年齢などはたぶん家と変わらないと思うけど、お母様は華やか和服姿で、気合十分という感じ。
言葉には出さないものの、『正樹は家の大切な一人息子ですの』って感じ。いや、実際に言ってたかも。
支店長夫妻がお仲人で、支店長は私と野田さんを喜々として紹介してくれた。やたらと誉めちぎられて、こそばゆかった。私の事なんか、ろくに知らないくせに。
野田さんは、写真のイメージそのままの人で、母みたいに”ハンサム”とは思えないけど、取り立てて嫌という事もなく、要するに普通の男の人って感じだ。
正面に座った野田さんの、私を値踏みするよう視線がちょっと不快で、私は終始俯き気味だった。
特に余計な話はせず、質問には適当な生返事ばかり。きっと、不愛想な女と思われたに違いない。
そのせいでお付き合いを断られたら、むしろ有り難いと思った。