アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました
愛人志願
「はぁー」

亮に腕枕をしてもらいながら、私は何度もため息をついていた。

「そんなに良かったのか?」
「え? あ、うん……」

それもあるけど、本当の理由は迷いと不安。ある名案を思い付いたのだけど、その提案を今すべきかという迷い。そして、その提案に亮がどんな反応をするのか、という不安。

でも、決めた。今、提案する。”善は急げ”だわ。善かどうかは微妙だけど。

「ねえ、私の体、どうだった?」

我ながら、この質問はめちゃめちゃ恥ずかしかった。でも、これからある提案をするにあたり、確認しておくべき重要な事柄だと思うの。

「どうって……良かったよ」
「本当に? 長く付き合って行けそう?」
「もちろん」

亮の目をしっかり見てたけど、嘘は無さそうだった。

「良かった。じゃあ、私を亮の、愛人にしてください!」

言ってしまった。

私達にある2つの障害。つまり、年齢と境遇の差なんだけど、そもそも障害たる所以は、二人が結婚しようとするからだと思う。そこで、”コロンブスの卵”的発想だけど、思い付いた。結婚しなければ良いのだと……

でも、亮と離れるの絶対に嫌だし、出来れば、亮の赤ちゃんを産みたい。そんな矛盾する事柄を同時に実現するための施策。それが”愛人関係”もしくは”愛人契約”なわけ。亮に正妻が出来るのは正直悔しいけど、涼と会えないよりは、遥にマシだわ。

私はきっと、ドヤ顔になってると思う。
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