アラサーの私が、なぜか御曹司で超絶イケメンの年下男子から、溺愛されました
水族館
その翌日の土曜日。
私と亮は窓際の椅子に座り、外の景色を眺めながら、亮が淹れてくれたモーニングコーヒーを飲んでいる。
ちなみに亮のは黒のマグカップで、私のはピンク。前もって買っておいてくれたらしい。

「今日も良いお天気ね?」
「そうだな。葉子は今日、予定ある?」

「何もないよ」
「車で出掛けたいけど、体は大丈夫か?」

体かあ。実はちょっと、あれなんだよね。

「激しく動かなければ、大丈夫だと思う」
「激しくね……」
「何よ、その目は?」

と言うか、亮は”車で”って言ったよね?

「亮って、自動車を持ってるの?」
「ああ。ちょっと格好いいヤツ」

そう言って亮は、ニッと口角を上げた。うふ、可愛い。

「うわあ、行きましょ、行きましょ。私、ドライブって好きなの」

という事になり、亮のBMWという自動車で、私達は千葉のとある水族館へ向かった。

「亮って、水族館が好きなんだね?」
前も言ってたから。

「ああ、好きだよ。って言うか、ハマってる」
「お魚に?」

「いいや、シャチに」
「それって、別名オルカとかキラーフォエルと呼ばれ、食物連鎖の頂点に君臨する海の最強動物、のシャチ?」

私がそう言うと、亮は驚いた顔を私に向けた。

「ちょっと、前、前!」
「お、おお」

脇見運転は危ないもんね。
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