整形ストーカー
平穏な日々
雪菜のもとに転がり込んでから一週間が経っていた。
最初はどうなることかとヒヤヒヤしていたけれど、足の傷は二日後には回復してちゃんと歩けるようになり、学校も再会した。

外へ出るときはさすがにちょっと怖かったけれど、行き先が同じである雪菜が隣にいてくれたおかげで、それも克服できた。

「ほんと、なにからなにまでありがとうね」
教室内で雪菜への感謝の気持ちを伝えると、雪菜は困ったように微笑んで「そんなの気にすることないのに」と言った。

雪菜の両親はお金持ちらしいから、雪菜もお金に困っていないのだろう。
食費も生活に必要なものも、全部そろえてくれていた。
それだけでもありがたくて、そして申し訳ない気持ちになる。

「教科書やノートはどうするつもり?」
「それはさすがに取りに戻るよ」

雪菜は勉強に必要なものまで全部買い直してあげると言ってくれたのだけれど、さすがに甘えることはできなかった。

教材など全部ひっくるめたら随分な金額になってしまう。
いくら裕福な家庭だと言っても、雪菜自身が稼いでいるわけでもない。
見えない雪菜の両親へも申し訳ない気持ちになってしまう。

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