双子のパパは冷酷な検事~偽装の愛が真実に変わる時~
幸せな結末――side鏡太郎
俺と琴里は、双子との生活のためにも再会してすぐ籍を入れた。
とはいえ青森地検での仕事も残っていたため、最初は別居婚という形だ。それでもすぐに不当な異動だったことが認められたため、秋からは東京地検に戻れることになった。
結婚式については、琴里が父親にも出席してほしいと考えているため、急がずのんびり準備しようと決めている。
そして俺が東京に戻ってきたのとちょうど同時期に、権藤元検事正、舞鶴、そして植木元次長検事とその息子。悪人たちは然るべき捜査のもと、今度こそなんの忖度もなく適正に裁かれた。
すべての突破口となるきっかけを作ってくれたのは、なんと紅林・白浜両婦人だ。
警察や検察のルートでは証拠が握りつぶされる可能性があったため、植木の息子が録画したデータを週刊誌にリークするという方法を取ったのだが、それを実行に移してくれたのが彼女たちだ。
明らかに一般人の彼女たちは出版社の受付で門前払いされそうになったらしいが、『あたしたち東京地検に勤めてる法曹関係者だよ!』とごり押しして、編集部に通してもらったらしい。
担当者は訝しんだに違いないが、持ってきた情報自体は本物のため、もちろん飛びついてきた。
おかげで長い間、間違った罪で刑務所に服役していた琴里の父、村雨奏二は厳正なる再審の結果、逆転無罪を獲得。年越しを待たずに晴れて自由の身になった。
母親は他界しているとはいえ、これでようやく家族が元通りになる。
琴里も弓弦くんも喜んでいたが、そう単純に事は進まなかった。