ふたりだけのオーキッド・ラグーン
1*真紘、シンガポールへ
――よし! 決めた。シーナちゃんを俺のカノジョにする。
――俺は、シーナちゃんとキスしたい。でもカレシでない嫌というのなら、俺がシーナちゃんのカレシになればいいだけだもんな。そうすれば、間借りのことも違和感なくなるし。
――今から俺はシーナちゃんのカレシ、シーナちゃんは俺のカノジョ、な。
ー・-・-・-・-・-・-
軽い言葉ではじまった瑠樹とのお付き合いだったのだが、最終的には全然軽くなく、結婚という形で終わった。
椎名ちゃんとキスしたい――たったそれだけの理由で真紘を自分の彼女にするなんて、軽いのにも程がある!
告白されたといっても真紘の第一印象は、それ。それ以外ないだろう!
瑠樹がどこまで本気なのかわからなくて、でも相手は期間限定とはいえ研修先での上司だから、お付き合いするしかない。そう真紘は諦める。
そもそもが、自分と瑠樹では釣り合いが取れているとは思えない。付き合いが進むにつれて、きっと瑠樹は現実に目覚めて、この交際は終わる。それまでの辛抱で……
しかし、そんな真紘の予測とは裏腹に、ずっとずっと瑠樹の決意は熱かったのだった。
翌日の初デートの日では、瑠樹はずっと真紘の手をつないで離さない。目を離した隙に真紘が逃げてしまわないようにといわんばかりに。真紘は拘束されているといっていい。
最初の借り上げ社宅の間借り交渉が強引なものだったから、カレシになっても瑠樹は俺様仕様のカレシだと真紘は疑っていた。だが、その予想は裏切られる。
初デートでつないだ手は、自分は瑠樹の一時的なカノジョとわかっていても、とても暖かくて、力強くて、安心できるものがある。手だけでなく、心までもギュッと掴まれた真紘だったのであった。
――俺は、シーナちゃんとキスしたい。でもカレシでない嫌というのなら、俺がシーナちゃんのカレシになればいいだけだもんな。そうすれば、間借りのことも違和感なくなるし。
――今から俺はシーナちゃんのカレシ、シーナちゃんは俺のカノジョ、な。
ー・-・-・-・-・-・-
軽い言葉ではじまった瑠樹とのお付き合いだったのだが、最終的には全然軽くなく、結婚という形で終わった。
椎名ちゃんとキスしたい――たったそれだけの理由で真紘を自分の彼女にするなんて、軽いのにも程がある!
告白されたといっても真紘の第一印象は、それ。それ以外ないだろう!
瑠樹がどこまで本気なのかわからなくて、でも相手は期間限定とはいえ研修先での上司だから、お付き合いするしかない。そう真紘は諦める。
そもそもが、自分と瑠樹では釣り合いが取れているとは思えない。付き合いが進むにつれて、きっと瑠樹は現実に目覚めて、この交際は終わる。それまでの辛抱で……
しかし、そんな真紘の予測とは裏腹に、ずっとずっと瑠樹の決意は熱かったのだった。
翌日の初デートの日では、瑠樹はずっと真紘の手をつないで離さない。目を離した隙に真紘が逃げてしまわないようにといわんばかりに。真紘は拘束されているといっていい。
最初の借り上げ社宅の間借り交渉が強引なものだったから、カレシになっても瑠樹は俺様仕様のカレシだと真紘は疑っていた。だが、その予想は裏切られる。
初デートでつないだ手は、自分は瑠樹の一時的なカノジョとわかっていても、とても暖かくて、力強くて、安心できるものがある。手だけでなく、心までもギュッと掴まれた真紘だったのであった。