裏SNS " F " - 友か、秘密か -

- side - Miyashita Mio

夏休みが終わって、数日。
浮かれた空気は、すぐにどこかへ消えていった。



宮下 澪は、

二列目の後方へと下がった
自分の席に座りながら、

スマホに指を滑らせていた。



始業式の夜に流れた、
あの投稿——



【 投稿主 ◇ 匿名 / TARGET ◇ 鴨田 紗英

2年F組の担任である鴨田 紗英は、
スナックで働いていた。
酒を出し、男に媚びるように笑っていた。

生徒の父親とも親しかったようだ。

Point ◇ 120pt 】



大橋 詩帆がクラスに開示請求を呼びかけ、
澪もそれに協力した。

投稿主は三枝 理子だったと通知が来て、
それから、理子は学校に姿を見せていない。



あれは事実なのか、それとも嘘だったのか。
澪には、判断がつかなかった。

けれど、それを境に——
再び、誰もが
" F " の存在を強く意識しはじめた。



榊原 萌子と藤井 舞は、
夏休み明けから、また一緒に行動している。

でも、
以前のように「 完全なペア 」ではない。

肩を寄せ合って笑っていても、
どこかぎこちなく、
歯車がずれたまま動いているように見えた。



萌子は、楽しげに話していたかと思えば、
ふと何かを察したような顔で、
三人のもとを離れていったりもする。

澪はその度に、
少しだけ胸がざわついた。
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