裏SNS " F " - 友か、秘密か -

- side - Asahina Chinatsu

朝比奈 千夏は、
変わらず駆け足の毎日を過ごしている。



朝は6時に目覚ましを止めて、
まずは冷蔵庫の中身を確認する。

パンをトースターに入れ、
目玉焼きとウインナーを焼いて、
なんとか形になる朝ごはんをつくる。

まだ眠たそうな弟の様子を見ながら、
自分も急いで食べると、そのままお皿を洗う。

そして、制服に着替えて家を出る
ーー朝が、最も忙しい。



学校にいる間は授業に集中し、
放課後は週に四日、近所の清掃のバイト。

けれど、" あの投稿 " がされてから
放課後に百瀬 梨々花と一緒に勉強する日もできた。
これは、夏休み前からの習慣だ。



時間は、目まぐるしく進んでいく。
2週間後には定期テスト。

F組にとっては、
この2年生の秋のテストが特別な意味を持つ。



放課後は、週4のバイトを週2に減らした。
少しでも勉強に集中するため。

バイトの無い日は、
百瀬 梨々花と一緒に勉強を進める。



最近は、その輪が少しずつ広がっている。
南雲 しずく、宮下 澪、白石 遙華が加わり、
五人での勉強会が自然とできていた。

わいわいというよりは、
それぞれが自分の勉強を進める、
静かな、けれど安心していられる空間。



時々、瀬川 琉生や根岸 幸太が
その輪に加わることもあった。

琉生が来る時は、
決まってお菓子をたくさん持ってくる。
チョコ、ラムネ、ポテチ、グミ。

みんなが手を伸ばしやすいように、
さりげなく広げてくれるのが琉生らしい。
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