裏SNS " F " - 友か、秘密か -
- side - Ichinose Haru
教室の窓から、
秋の日差しが差し込んでいた。
一ノ瀬 悠は、
配られた成績をぼんやりと眺める。
ーー13位。560点。
順位は変わっていないけれど、
点数は大きく上がっている。
悠以外にもほとんどの生徒が点数を上げ、
少し前まで教室は歓喜に包まれていた。
順位や点数を確認し終わると、
F組の生徒はそれぞれの机へと戻っていく。
教室を見渡せば、
多くのクラスメイトがノートを広げていた。
少し後、鴨田先生が教室に入ってきて、
帰りのHRが始まる。
先生は教壇に立ち、教室を見渡すと、
やわらかく微笑んだ。
「 みんな、テスト、お疲れさまでした 」
一瞬、空気がふわっと緩む。
「 とても良い結果でした。
みなさんの努力を、誇りに思います 」
ぱちぱち、と拍手が起こる。
教室が、あたたかい空気に包まれていく。
ーーけれど、次の瞬間
鴨田先生は少しだけ表情を引き締めた。
「 そして、Fについてですが、
アプリは本日をもって、終了します」
一瞬、時間が止まったようだった。
「 どういうこと?」
「 え、今日まで?」
「 停止じゃなくて、終了?」
榊原 萌子が真っ先に反応し、
藤井 舞、百瀬 梨々花がその言葉を追う。
ざわついた声が教室を満たし、
それはやがて波紋のように広がっていった。
悠もまた、
胸の奥で何かがざわつくのを感じていた。
あの " F " が——
半年間、善悪も友情も、
すべてを揺さぶってきたあのアプリが、
今日で終わる。
日常の一部を
突然、もぎ取られたような感覚だ。
秋の日差しが差し込んでいた。
一ノ瀬 悠は、
配られた成績をぼんやりと眺める。
ーー13位。560点。
順位は変わっていないけれど、
点数は大きく上がっている。
悠以外にもほとんどの生徒が点数を上げ、
少し前まで教室は歓喜に包まれていた。
順位や点数を確認し終わると、
F組の生徒はそれぞれの机へと戻っていく。
教室を見渡せば、
多くのクラスメイトがノートを広げていた。
少し後、鴨田先生が教室に入ってきて、
帰りのHRが始まる。
先生は教壇に立ち、教室を見渡すと、
やわらかく微笑んだ。
「 みんな、テスト、お疲れさまでした 」
一瞬、空気がふわっと緩む。
「 とても良い結果でした。
みなさんの努力を、誇りに思います 」
ぱちぱち、と拍手が起こる。
教室が、あたたかい空気に包まれていく。
ーーけれど、次の瞬間
鴨田先生は少しだけ表情を引き締めた。
「 そして、Fについてですが、
アプリは本日をもって、終了します」
一瞬、時間が止まったようだった。
「 どういうこと?」
「 え、今日まで?」
「 停止じゃなくて、終了?」
榊原 萌子が真っ先に反応し、
藤井 舞、百瀬 梨々花がその言葉を追う。
ざわついた声が教室を満たし、
それはやがて波紋のように広がっていった。
悠もまた、
胸の奥で何かがざわつくのを感じていた。
あの " F " が——
半年間、善悪も友情も、
すべてを揺さぶってきたあのアプリが、
今日で終わる。
日常の一部を
突然、もぎ取られたような感覚だ。