DEEP BLUE
孤独なシンデレラ
孤独なシンデレラ
今日も一日深夜遅くまで働き、夜の鮮やかなネオン街から一歩出ると、あたしはまた普通の世界に戻ってくる。
お姫様が、舞踏会から帰ってくる様に。
……でも残念なのは
あたしには、お姫様なんて言葉は程遠い。
そんな優雅できらびやかな世界でもない。
「……はぁ。ただいまー」
もちろん、誰もいない一人暮らしの真っ暗な部屋。
靴を脱ぎ捨て、結われた髪を解き、キラキラ光るピアスやネックレスも全部取っていけば、そこには……
魔法が解けた、元のシンデレラがいた。
「つっかれたー………」
ボスッとベッドに身を投げ、瞳を閉じた。
お風呂に入らなきゃ、とは思ってもこの程良い疲労感があたしを睡眠へと誘っていく。
「………疲……れた……」
あの頃のあたしは………
その言葉が口癖かのように毎日毎日繰り返し、いつの間にか日が昇る生活を送っていた。
………そんな、孤独にまみれた毎日を過ごしていた。