飽食のセイレーン
これは三年前に体験したお話です。
当時、骨董品に凝っていた私はある骨董品店に通っており、そこの商品を見て回るのが好きでした。そのお店の物は大変状態も良い物が多く、だからこそお値段も相応で、私にはとてもじゃないですが、なかなか手が出ない物ばかりでした。あんまりウィンドウショッピングばかりだと、お店の人にも嫌な感じに見られるし、気まずいなと思っていたので、少しだけ負けてもらおうという下心もあり、私は慣れないながらもそこの店主と仲良くなろうと決めました。
普段、知らない人と会話なんてあんまりしたことの無い私は、勇気を出して何気ない天気の話や商品について質問したりしてみると、気難しそうな見た目とは裏腹に店主は快く応えてくれました。まぁ、あっちも客商売ですから、今時客を選ぶような態度を取る訳にもいかなかったんでしょう。店主が特に好きな物はスタンダードに陶磁器でしたが、店にはその他にも茶道具や人形、絵画なんかも置いてありました。勿論、私が恐怖を覚えた『あの絵』も置いてありました。
その日、いつものように店主と商品についてあれやこれやと楽しく話していると、ふと、窓際に掛けてある『あの絵』が気になりました。外から見ても、あまり目立たない場所に掛けてある絵を何故、見付けることができたのか、今となっては分かりません。ですが、その時は確かにふとした瞬間、目に留まったのです。
「ねぇ、山田さん。あの絵は?」
「ああ、あれも売り物だよ。見るかい?」
この時、私は何だか一瞬だけ背筋が寒くなったような気がしましたが、店主の山田さんが持って来てくれた『それ』を見ると、そんなことは忘れてしまいました。晴れ晴れとした青い空に浮かぶ入道雲、その下に広がる一見すると、岩のようにも見える町並みが海に沈んでいる景色を背景に、手前に描かれた人面の鳥の化け物がこちらを向いて目を見開き、あどけない口から一筋の鮮血を垂らしている。分かりやすく怖くも、どこか美しさを感じさせる絵でした。私は絵画には詳しくないせいで、タイトルは出てきません。けれど、山田さんが親切に教えてくれました。
「これは『飽食のセイレーン』と言って、今から百二十年くらい前に描かれた絵だよ」
「何だか、怖いけど、不思議と惹かれる絵ですね。――本物なんですか?」
「いやいやぁ、本物だったらうちみたいな小さい店には置けないよ。それでも結構したからねえ」
「そうなんですか。…………」
私がじっとその絵を見ていると、山田さんは眼鏡の奥のきょろっとした目をこちらに向けて「欲しい?」と訊いてきました。どきり、と何故か変に驚いてしまって、私は「え、いや、でも……」ともごもごしてしまったことは思い出すと、やはり気恥ずかしくなります。これが小物とかでしたら手が届きますが、流石に絵画となると簡単に手は出ません。けれど、私がその絵に心惹かれているのもまた事実でした。一度欲しいと思うと、なかなか諦められない質でもあります。
散々悩んだ末に、結局私は特別に負けてもらい、更に分割払いでその絵を買うことに決めました。我ながら大胆な買い物をしたものです。でも、あの絵を手に入れた時は言い様の無い満足感でいっぱいでした。
家に帰って早速飾ってみると、部屋の雰囲気には大変ミスマッチですが、その絵の周りだけ何だか高級感のようなものを感じました。遂に絵画に手を出してしまったと達成感のような、何かとんでもないことを成し遂げてしまったような、そんな気になりました。
改めて絵をじっくり鑑賞していると、そのセイレーンは少女のような顔つきをしていて、綺麗な金髪を巻き、化粧のようなものもしています。その下にある白い胸には僅かな血痕と共にネックレスもしています。装飾品というよりはお守りの意味合いが強いようなそれは、セイレーンという化け物に対して妙な印象を受けました。それでも、お気に入りの絵ですからその絵を見ながら夕食を食べる頃には、そんなことは気にならなくなってきます。むしろ、お洒落で良いじゃないとすら思っていました。
その日の夜、夢を見ました。私の部屋の窓から小さな女の子が顔を覗かせています。ふんわりした黒髪の可愛らしい美人さんで、でも、まだ背が小さいのか鼻から上の顔しか見えません。私はいつの間にかその子と仲良く談笑していました。不思議とその子と話すのはとても楽しかったからです。
そうして何度かその子の夢を見、ある時、夢の中でその子は窓枠に精一杯手を掛けてある物を指しました。それはいつも私が使っているリップでした。色が気に入っていて、リピートして使っている物です。でも、その子はそれが何か分からないようでした。だから、「あれ、なぁに?」と訊いてきたのだと思います。私が「これはお化粧道具よ」と言って塗ってみせると、女の子は目をきらきらさせて「良いなぁ」と羨ましそうに見つめてきます。きっと憧れたんでしょうね。その顔が可愛くて、私はつい言ってしまいました。
「塗ってあげようか?」
「ほんと? ぬって! ぬって!」
嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる姿に私も嬉しくなり、手に持っているリップを塗ってあげようとしましたが、何故か窓の外に手を出すことができません。どうしたものかと考えていると、その子が指先を差し出して「かして」と言ってきました。まぁ、貸すくらいなら良いかと私はリップをその子の指先に渡しました。自分なりにリップを塗ると、女の子はちょっと大人っぽくなれたのが嬉しいのか、凄くはしゃいでいました。私もそんな女の子を見ていると、嬉しくなって何だかそのリップをあげたくなってしまいました。「欲しい?」と訊くと、女の子は元気良く頷き、私は「じゃあ、あげるね」と返事をしていました。
その日の朝、出勤の準備をしていると、どうしてもお気に入りのリップが見付かりません。どこかに転がって行ってしまったのか、隙間に落ちたのか、時間が無いので諦めて他のリップを使いましたが、帰って来る頃にはそんなことは忘れて寝てしまったものでした。
それからも女の子には色んな物をあげました。リップに始まり、ネックレスや本、ネイルやお揃いのキーホルダーととにかくいくつもいくつもあげました。いつの間にか二人でお揃いにすることが当たり前となり、その度に私は物を無くしてしまいましたが、無くした物はまた買えば良いので、気にしませんでした。夢の中で女の子に何かあげる度、彼女は大きくなり、キーホルダーをあげた次の夜にはすっかり大人の姿になり、もう私と遜色ない身長になっていました。
私達はもう親友同士と言っても良い程、仲が良い関係でした。好きな人ができて、その人の話をすると、彼女は決まって「良いなぁ」と羨ましがります。流石に今までのように「貸してあげる」なんて言えませんが、彼女はきょろりとした好奇心の強い目で私に「恋人になってくれたら良いね」と言ってくれました。
それからどういった巡り合わせか、私は好きな人と恋人同士になることができました。プライバシーの関係上、詳しくは言えませんが、同じ職場の人です。私にはもったいないくらい優しくて素敵な人です。彼から告白されたその日は一日中嬉しくて嬉しくて、興奮してなかなか寝付けなかった程でした。
その日の夜、夢の中で私はあの子にとうとう彼と恋人同士になれたと報告しました。あの子は「良かったね」と祝いの言葉をくれてにっこりと微笑んでくれました。相変わらず、可愛らしい笑顔が見られたので、私はもうすっかり舞い上がっていました。だから、あの子に手を掴まれた時、すぐに振り払うことができなかったのです。
彼女は私の手を優しく握ってこう言いました。
「嬉しい?」
私がその質問にすぐ頷くと、彼女はそのまま窓枠に私を引っ張ります。華奢な筈の手のどこにそんな力があったのか、ぐいぐいと手を引っ張られて私は何だか危機感を覚えました。掴まれた手を振り払うこともできず、私がそのまま抵抗していると、痺れを切らした彼女は大きく口を開けて言いました。その口からは大きな牙がちらりと見えました。
「ねぇ、貸して」
私の手を引っ張る力が増して、私は必死に窓枠に掴まりました。そこで漸く私はとんでもない間違いを犯していたのだと分かり、手を振り解こうと抵抗しました。けれど、彼女の力は強く、私を放してくれません。「お願い、止めて。できない」と訴えると、彼女は悔しそうな顔をして叫びました。
「私が願いを叶えてやったんだから、今度はあんたが私の願いを叶えてよ」
その言葉は、飛び起きた後でもずっと私の頭に響いていました。まだ夜中に目が覚めた私は、どくどくと鳴っている心臓を落ち着かせる為、水を飲みに行きました。そこで閃いたようにあの絵のことが気になったのです。あの絵がある生活が当たり前になっていたので、最近はあまり鑑賞することも無く、ただそこにありました。
未だ震える手でコップに汲んだ水を飲み、久しぶりにあの絵を見た私は恐怖からその場を動けませんでした。手前に大きく描かれたセイレーン。その唇には赤いリップが塗られ、首にはネックレス、足元にはネイルや本が並び、その中にはキーホルダーもあります。全部、私が夢の彼女にあげた物が、そこにありました。
すぐに私は絵をゴミ袋に入れて捨てました。もうそれからは私の夢に彼女は出てきていません。あのまま窓の向こうへ連れて行かれたら、どうなっていたのでしょう。今、思えば、私はあの絵に取り憑かれていたのだと思います。決して安くない買い物でしたが、仕方ありません。これで私の体験談は終わりです。あまり怖くないお話で申し訳ありません。……え? 絵ですか? あれから私も懲りたので、一枚も飾っていませんよ。
「え? 後ろの絵は何って?」
当時、骨董品に凝っていた私はある骨董品店に通っており、そこの商品を見て回るのが好きでした。そのお店の物は大変状態も良い物が多く、だからこそお値段も相応で、私にはとてもじゃないですが、なかなか手が出ない物ばかりでした。あんまりウィンドウショッピングばかりだと、お店の人にも嫌な感じに見られるし、気まずいなと思っていたので、少しだけ負けてもらおうという下心もあり、私は慣れないながらもそこの店主と仲良くなろうと決めました。
普段、知らない人と会話なんてあんまりしたことの無い私は、勇気を出して何気ない天気の話や商品について質問したりしてみると、気難しそうな見た目とは裏腹に店主は快く応えてくれました。まぁ、あっちも客商売ですから、今時客を選ぶような態度を取る訳にもいかなかったんでしょう。店主が特に好きな物はスタンダードに陶磁器でしたが、店にはその他にも茶道具や人形、絵画なんかも置いてありました。勿論、私が恐怖を覚えた『あの絵』も置いてありました。
その日、いつものように店主と商品についてあれやこれやと楽しく話していると、ふと、窓際に掛けてある『あの絵』が気になりました。外から見ても、あまり目立たない場所に掛けてある絵を何故、見付けることができたのか、今となっては分かりません。ですが、その時は確かにふとした瞬間、目に留まったのです。
「ねぇ、山田さん。あの絵は?」
「ああ、あれも売り物だよ。見るかい?」
この時、私は何だか一瞬だけ背筋が寒くなったような気がしましたが、店主の山田さんが持って来てくれた『それ』を見ると、そんなことは忘れてしまいました。晴れ晴れとした青い空に浮かぶ入道雲、その下に広がる一見すると、岩のようにも見える町並みが海に沈んでいる景色を背景に、手前に描かれた人面の鳥の化け物がこちらを向いて目を見開き、あどけない口から一筋の鮮血を垂らしている。分かりやすく怖くも、どこか美しさを感じさせる絵でした。私は絵画には詳しくないせいで、タイトルは出てきません。けれど、山田さんが親切に教えてくれました。
「これは『飽食のセイレーン』と言って、今から百二十年くらい前に描かれた絵だよ」
「何だか、怖いけど、不思議と惹かれる絵ですね。――本物なんですか?」
「いやいやぁ、本物だったらうちみたいな小さい店には置けないよ。それでも結構したからねえ」
「そうなんですか。…………」
私がじっとその絵を見ていると、山田さんは眼鏡の奥のきょろっとした目をこちらに向けて「欲しい?」と訊いてきました。どきり、と何故か変に驚いてしまって、私は「え、いや、でも……」ともごもごしてしまったことは思い出すと、やはり気恥ずかしくなります。これが小物とかでしたら手が届きますが、流石に絵画となると簡単に手は出ません。けれど、私がその絵に心惹かれているのもまた事実でした。一度欲しいと思うと、なかなか諦められない質でもあります。
散々悩んだ末に、結局私は特別に負けてもらい、更に分割払いでその絵を買うことに決めました。我ながら大胆な買い物をしたものです。でも、あの絵を手に入れた時は言い様の無い満足感でいっぱいでした。
家に帰って早速飾ってみると、部屋の雰囲気には大変ミスマッチですが、その絵の周りだけ何だか高級感のようなものを感じました。遂に絵画に手を出してしまったと達成感のような、何かとんでもないことを成し遂げてしまったような、そんな気になりました。
改めて絵をじっくり鑑賞していると、そのセイレーンは少女のような顔つきをしていて、綺麗な金髪を巻き、化粧のようなものもしています。その下にある白い胸には僅かな血痕と共にネックレスもしています。装飾品というよりはお守りの意味合いが強いようなそれは、セイレーンという化け物に対して妙な印象を受けました。それでも、お気に入りの絵ですからその絵を見ながら夕食を食べる頃には、そんなことは気にならなくなってきます。むしろ、お洒落で良いじゃないとすら思っていました。
その日の夜、夢を見ました。私の部屋の窓から小さな女の子が顔を覗かせています。ふんわりした黒髪の可愛らしい美人さんで、でも、まだ背が小さいのか鼻から上の顔しか見えません。私はいつの間にかその子と仲良く談笑していました。不思議とその子と話すのはとても楽しかったからです。
そうして何度かその子の夢を見、ある時、夢の中でその子は窓枠に精一杯手を掛けてある物を指しました。それはいつも私が使っているリップでした。色が気に入っていて、リピートして使っている物です。でも、その子はそれが何か分からないようでした。だから、「あれ、なぁに?」と訊いてきたのだと思います。私が「これはお化粧道具よ」と言って塗ってみせると、女の子は目をきらきらさせて「良いなぁ」と羨ましそうに見つめてきます。きっと憧れたんでしょうね。その顔が可愛くて、私はつい言ってしまいました。
「塗ってあげようか?」
「ほんと? ぬって! ぬって!」
嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる姿に私も嬉しくなり、手に持っているリップを塗ってあげようとしましたが、何故か窓の外に手を出すことができません。どうしたものかと考えていると、その子が指先を差し出して「かして」と言ってきました。まぁ、貸すくらいなら良いかと私はリップをその子の指先に渡しました。自分なりにリップを塗ると、女の子はちょっと大人っぽくなれたのが嬉しいのか、凄くはしゃいでいました。私もそんな女の子を見ていると、嬉しくなって何だかそのリップをあげたくなってしまいました。「欲しい?」と訊くと、女の子は元気良く頷き、私は「じゃあ、あげるね」と返事をしていました。
その日の朝、出勤の準備をしていると、どうしてもお気に入りのリップが見付かりません。どこかに転がって行ってしまったのか、隙間に落ちたのか、時間が無いので諦めて他のリップを使いましたが、帰って来る頃にはそんなことは忘れて寝てしまったものでした。
それからも女の子には色んな物をあげました。リップに始まり、ネックレスや本、ネイルやお揃いのキーホルダーととにかくいくつもいくつもあげました。いつの間にか二人でお揃いにすることが当たり前となり、その度に私は物を無くしてしまいましたが、無くした物はまた買えば良いので、気にしませんでした。夢の中で女の子に何かあげる度、彼女は大きくなり、キーホルダーをあげた次の夜にはすっかり大人の姿になり、もう私と遜色ない身長になっていました。
私達はもう親友同士と言っても良い程、仲が良い関係でした。好きな人ができて、その人の話をすると、彼女は決まって「良いなぁ」と羨ましがります。流石に今までのように「貸してあげる」なんて言えませんが、彼女はきょろりとした好奇心の強い目で私に「恋人になってくれたら良いね」と言ってくれました。
それからどういった巡り合わせか、私は好きな人と恋人同士になることができました。プライバシーの関係上、詳しくは言えませんが、同じ職場の人です。私にはもったいないくらい優しくて素敵な人です。彼から告白されたその日は一日中嬉しくて嬉しくて、興奮してなかなか寝付けなかった程でした。
その日の夜、夢の中で私はあの子にとうとう彼と恋人同士になれたと報告しました。あの子は「良かったね」と祝いの言葉をくれてにっこりと微笑んでくれました。相変わらず、可愛らしい笑顔が見られたので、私はもうすっかり舞い上がっていました。だから、あの子に手を掴まれた時、すぐに振り払うことができなかったのです。
彼女は私の手を優しく握ってこう言いました。
「嬉しい?」
私がその質問にすぐ頷くと、彼女はそのまま窓枠に私を引っ張ります。華奢な筈の手のどこにそんな力があったのか、ぐいぐいと手を引っ張られて私は何だか危機感を覚えました。掴まれた手を振り払うこともできず、私がそのまま抵抗していると、痺れを切らした彼女は大きく口を開けて言いました。その口からは大きな牙がちらりと見えました。
「ねぇ、貸して」
私の手を引っ張る力が増して、私は必死に窓枠に掴まりました。そこで漸く私はとんでもない間違いを犯していたのだと分かり、手を振り解こうと抵抗しました。けれど、彼女の力は強く、私を放してくれません。「お願い、止めて。できない」と訴えると、彼女は悔しそうな顔をして叫びました。
「私が願いを叶えてやったんだから、今度はあんたが私の願いを叶えてよ」
その言葉は、飛び起きた後でもずっと私の頭に響いていました。まだ夜中に目が覚めた私は、どくどくと鳴っている心臓を落ち着かせる為、水を飲みに行きました。そこで閃いたようにあの絵のことが気になったのです。あの絵がある生活が当たり前になっていたので、最近はあまり鑑賞することも無く、ただそこにありました。
未だ震える手でコップに汲んだ水を飲み、久しぶりにあの絵を見た私は恐怖からその場を動けませんでした。手前に大きく描かれたセイレーン。その唇には赤いリップが塗られ、首にはネックレス、足元にはネイルや本が並び、その中にはキーホルダーもあります。全部、私が夢の彼女にあげた物が、そこにありました。
すぐに私は絵をゴミ袋に入れて捨てました。もうそれからは私の夢に彼女は出てきていません。あのまま窓の向こうへ連れて行かれたら、どうなっていたのでしょう。今、思えば、私はあの絵に取り憑かれていたのだと思います。決して安くない買い物でしたが、仕方ありません。これで私の体験談は終わりです。あまり怖くないお話で申し訳ありません。……え? 絵ですか? あれから私も懲りたので、一枚も飾っていませんよ。
「え? 後ろの絵は何って?」