『イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした』
静けさの裏側で
それから数日、美香奈は静かに暮らしていた。
自宅には管理会社が設置した仮設の監視カメラと、追加のセンサーライト。
巡回も一日二回に増え、玄関先で声をかけてくれる警官の姿も見慣れてきた。
そのうちの半分は、神谷だった。
決まって、静かに立っている。
深く帽子をかぶり、遠慮がちに名を呼ぶ。
「橋口さん、ご無事ですか」
そのたびに、美香奈は小さくうなずき、短い言葉を交わした。
以前よりも、言葉は少ない。
けれど、そこにある“あたたかさ”は確実に増していた。
(この静けさが、ずっと続けばいい)
そう思うたびに、胸の奥に――ほんのかすかな違和感が芽を出す。
(……けれど)
なぜだろう。
空気の中に、何かが混じっている気がしていた。
自宅には管理会社が設置した仮設の監視カメラと、追加のセンサーライト。
巡回も一日二回に増え、玄関先で声をかけてくれる警官の姿も見慣れてきた。
そのうちの半分は、神谷だった。
決まって、静かに立っている。
深く帽子をかぶり、遠慮がちに名を呼ぶ。
「橋口さん、ご無事ですか」
そのたびに、美香奈は小さくうなずき、短い言葉を交わした。
以前よりも、言葉は少ない。
けれど、そこにある“あたたかさ”は確実に増していた。
(この静けさが、ずっと続けばいい)
そう思うたびに、胸の奥に――ほんのかすかな違和感が芽を出す。
(……けれど)
なぜだろう。
空気の中に、何かが混じっている気がしていた。