転生幼女と宰相パパは最強コンビ
第四章 パパとあたちはチームなのでしゅ
今までは、精霊使いとしての能力が暴走したら危険だからという理由で王宮に出仕するイヴェリオに同行していたリリカだったが、正式にイヴェリオの政務を手伝うことになった。お仕事チーム結成である。
 王宮に向かう馬車の中で、イヴェリオは改めてリリカに言い聞かせた。

「前世については語らないようにした方がいい」
「どちて?」

 リリカの能力について、ある程度は公にすることになったと聞いている。対象者は、ごくわずかな文官だけだ。

「ただでさえ、精霊使いは珍しいのに前世の知識を持っているとなると、リリカの身が危険だからだ」
「んー」

 王宮に向かう馬車の中、リリカの席はイヴェリオの膝の上。
 座席に座るよりはイヴェリオを身近に感じられるが、いくらリリカの存在が貴重だからって、これはやりすぎではないだろうか。抱っこされているのがちょっぴり嬉しいというのは、リリカだけの秘密である。
 すでにリリカの読み書きに関する能力は、三歳という年齢からはるかにかけ離れてしまっているのだから、前世のことも隠さなくてもいいような気がする。

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