転生幼女と宰相パパは最強コンビ
エピローグ
あれから、ひと月が過ぎた。
 リリカは、アークスとイヴェリオと共に、アークスの執務室にいた。リリカはあいかわらず、本を読むのに忙しい。
 開かれた窓から流れ込む風が、リリカの頬をそっと撫でていく。

「さて、次の問題はこれだ。リリカに、この書類を読んでほしい」

 イヴェリオが、三人の囲んでいるテーブルに置いたのは、近頃発見されたという遺跡に関する報告書である。

「いしぇき?」
「遺跡だって。ここで、昔の人は星を観測してたんじゃないかって話だよ」

 アークスは、好奇心を隠しきれずにわくわくとしていた。最近、ますます表情豊かになってきた気がする。いいことだ。
 リリカの目に留まったのは、巨大な石を組み合わせて作られた遺跡の絵だった。

「おお、いしぇきだ!」

 その絵を見た瞬間、リリカの中で思い起こされたのは、前世で見た写真のこと。巨大な石を組み合わせた遺跡は、国内にも国外にもいくつもあった。
 前世では、遺跡の作られた目的は解明されていないものが多かった。儀式を捧げる場所だったとか、巨大な暦だったとか。中には、権力者の墓場として作られたのではないかというものもあった。
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