転生幼女と宰相パパは最強コンビ
第二章 あたち、いがいにやるんでしゅ
マーサの手でリリカの目の前に出されたのは、果物がたっぷりとのせられたフルーツタルト。艶(つや)々(つや)とした果物は、とても美味しそうだ。

「お誕生日、おめでとうございます」
「あいがと!」

 今日はリリカの三歳の誕生日だ。イヴェリオがリリカの身内を探してくれているのだが、まだ見つかっていない。
 そのため、リリカが救出された日が誕生日と決められた。つまり、この屋敷に来てから三年が経過したことになる。
 救出された時は、生後数か月というところだったらしいから、そう大きなずれではないはず。

「んふふ、フリューツ!」

 生クリームのケーキも好きだけれど、この屋敷の料理人が作ってくれるフルーツタルトは最高に美味なのだ。
 そのため、誕生日にはフルーツタルトが食べたいと、一週間前からおねだりしておいた。
 三歳になったリリカの髪は、肩につくかつかないかというあたりまで伸びている。黒い髪と黒い目は、この国では見かけないそうだ。前世と同じような色合いなので、リリカとしては違和感は少ない。
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